車載ウインチを言い訳に色々作る(リモコン編)

次はリモコンです、バイクの積載時は両手が塞がってしまうので、無線リモコンは大きめのケースに入れ替えたいのでまず分解します。

ってエッ?なにこの汚い実装!

回路構成はPICと謎のRFチップが直結されており、周波数やプロトコルも全く分からないので国内で使っていいものやら不明です。ここでまた自分で作る決断をする訳ですね。まぁ12Vの大型リレーを無線で制御するだけですしそれほど手間では無いのですが、今回はケース込みで凝ってみようとスタートしました。

引き上げ途中で止まってしまうと色々困りますので、回路ではあまり冒険せずに通信とマイコンはArduinoFio+XBeeを使うことにしました。まずリモコン側のケースと基板を設計します。ケースはかねてから使ってみたかったFrontPanelExpressに発注します。このサービスを解説しますと、専用のFrontPanelDesignerというソフトで加工指示して発注すると、そのまま送られてくるサービスです。ソフト自体は2Dのシンプルな物ですが、既成品のサイドプレートがあるのでこれに合わせてサイズを決めると箱型のケースが安価に作れます。

こんな感じでトッププレートを作り、

アプリ内からそのまま発注できます。

ほどなくして送られてきました、何故かグミが同梱されています。税関で開けたようですがその時に紛れたのか元からなのか。

サイドの角穴はタカチの埋め込み単三電池ケース用に加工したのですが、寸法を微妙に間違えてしまいましたがまぁいいでしょう、仮組みします。

次にこの中に入る基板を作ります、最初はサンハヤトのユニバーサル基板を入れるつもりでリモコンのサイズを決めたのですが、配線途中で量にうんざりしてきたため、新しく基板を起こしてしまいました。

CADはいつものAltiumで製造はFusionです。

今回液晶を付けたかったので、ストロベリーリナックスや秋月などで扱っている小型I2C液晶を使います。これもピッチが細かすぎる上に外付けのCが幾つか必要なので基板を起こします。

JSTのXH表面実装横タイプをそのままハンダする仕様にして省スペースな物にしました。これも製造はFusionです。大量に作ったので一声かけて頂ければイベント等に持っていきます。安いのでタダでいいです。液晶の固定は正直悩んだのですが、アクリル板を表面に接着し、さらに裏から2液エポキシで固定するという方法を取りました。

さすがエポキシでばっちり固定できました。問題は表面の方で透明になるという謳い文句だったアクリサンデー接着剤で貼った所ご覧の通り。液晶窓枠が荒れているのは1mm程手で広げた為です。9mmはぎりぎりすぎました。

部分的に曇ってますし応力が入ったらしく変色してしまいました。アクリサンデーはこの用途には無理なようです、次から他の手段を考えないと。読めるは読めるので気にせず進めることにします。いよいよ組み立てです。

Fioに見えるUEWは、XBeeのRSSI(信号強度)出力をADに入力して検出可能にしています。まぁ信号はPadで出ているのでFioの想定された使い方です。

完成しました、長かった。空いてるコネクタにはこのようなスイッチを取り付けます。

ハンドルに挟めるスイッチですね、ハンドルのワンタッチクランプは自転車用品です。新しく始めた趣味が活かされました。間のスペーサーはアクリ屋さんに制作をお願いした物です。スイッチ自体はウインチの付属品で、サイズもネジも全てインチでちょっと厄介でした。

長くなったのでここで一旦切ります。次はリレーコントローラ編です。

車載ウインチを言い訳に色々作る(マウントプレート編)

おひさひぶりです、また前回のポストから1年近くが過ぎてしまいました。

しかしOPMシールドの情報を求めていらっしゃる方が未だに多いので、こうして工作物の制作記録をWebに残しておくのは十分意義のあることだと考えています。

では今回のお題です。ハイエースをトランポとして使っており、2400mmの長いラダーもありますが、大型ネイキッドなどの重量車の積載はやはりしんどいです。エンジンはかける派ですがDUCATIなど乾式で切れが良くてハイギアードな車体だとなおさらです。

以前の車体では、このような安物12Vウインチを荷室仕切り棒にぶらさげてみて、「これならどんな車両もイケる!」となった1ヶ月後に盗難された訳ですが、次はもう少し見た目にも機能的にもアップグレードした物にしたいというのが今回のお題です。

まずは何は無くてもウインチ本体の選定です、以前のウインチは1万円を大幅に切るお手頃価格でしたが、いかんせんパワーがぎりぎりで非常に不安でした、あと機能的にもクラッチをフリーにしてワイヤを引き出すことが出来なかったので、毎回ガラガラ・・と電動で時間がかかります。

なので高価ですが今回は車載ウインチメジャーメーカーのWARN製を選びます。専業メーカーだけに凄まじく沢山のモデルがあるのですが、条件が似ているATV用のXT30にします。問題は国内で扱っている代理店が無いので自分で直接輸入手配をしなければならないということですが、米国Amazon.comと当時まだ営業していた転送eペリカンを使って輸入しました。キャンペーン中で$350位だったと記憶しています。

ワイヤは繊維製で軽量、周囲の物をキズ付ける心配なし。クラッチ付きで手で引っ張れば引き出せる、パワーも必要十分、リモコン付きと申し分無いです。リレー部分の写真が無くて不安だったのですが、開梱してみた所きちんとしています。

次はマウントする場所です。以前の仕切り棒ぶらさげは棒の取り付け強度が不安だったので床に、ということで殆ど選択の余地無くリアシート下周辺になるのですが、

でこぼこしていて採寸が面倒ですね。

高さは問題無いです、この後オグショーさんで床貼りをする予定だったのですが、思い切ってリアシート取り付けボルト位置の寸法が取れないか聞いてみたところ。

バッチリです、ありがとうありがとうオグショー。聞く所によるとシート取り付けボルト穴はモデルや年式によって変則的に変わるらしいので毎回現物から採寸をするそうです。次にウインチ本体の固定ですが、見た目に綺麗に仕上げたいというのもあり、マウントプレートを1品物で制作することにしました。まずAutoCADで図面を引きます。

素材は3mmの鋼板です。制作は今回も日本プレート精工さんです、何時もお世話になっております。毎度素人図面に付き合って頂きご迷惑をおかけしています。

そんなこんなで仕上がってきました。

順当に行けば後は固定するだけなのですが、そこはそれで今回もトラブルが有るわけで強引に突破していきます。後編に続きます。