はじまり
2018年の初頭、年の始まりといえばCESですが興味深い製品が発表されました。
3Dスキャナは過去にも色々発売されていますが、デモ動画を見る限りそれらとは一線を画す性能のようです。早速米国Amazonで予約を入れ、到着してからの用途を考えます。PBR用のマップも出せるのでUnity辺りにモデルを持ってくるだけでも面白そうですがベースメッシュの解像度も高そうな印象です。もしかして…
“手”をキャプチャしてFusion360にインポートしてモデリングすれば今流行りの自作キーボードなんかを超ジャストサイズで作れるのでは?というのが始まりです。というのも私は手が小さく大抵の入力デバイスはサイズが合わないのです。
キーボードは調べた所キーキャップのサイズバリエーションが実質無く、キャップを3Dプリンタで出力するのも不向きであまりインパクトも出しにくそうなので、対象を高い効果が望めそうなゲーミングデバイス、スティック辺りが良いのでは??よし!これで今年のMaker Faireに出てみよう、ということでノギスで手のサイズを計測し、Fusion360でササっとエルゴノミクスっぽいケースを作成し、3Dプリント、部品を組み込んで写真撮影。Maker Faire事務局に出展申請を入れたのでした、その後の顛末も知らずに。
延期延期!
暫くして出展許可が出たのですが、一方のHP Z 3D Cameraの発売が延期につぐ延期、別ネタは進めていましたが出展概要にはゲーミングデバイスで出しているので、当初3月末発売の予定が2回伸びた後の6月末もさらに流れてしまい焦り始めます。やヴぁいこれ…
そんな訳で急遽”手”をそこそこの精度で3Dキャプチャする方法を模索します。最初に試したのがこれ、DMMいろいろレンタルで借りてきたSense 3D Scannerです。
早速手のキャプチャを試してみるもどうにも上手く行かないので、理想的な条件でこのスキャナが最も得意としているサイズの物をキャプチャしてみます。
モーター付き回転台を使って定速で回します、流石にこの理想条件ならそこそこの結果が得られるでしょうと結果を見た所うーーーん。1日目でそそくさと返却してしまいました。
次に試したのがZephyrです。こちらは多数の画像データから特徴点抽出を行い3次元形状の推測を行いますが、スチル撮影も面倒ですし入力のサポートもあるのでシャッタースピードを上げた動画をカメラを回転させながら撮影し放り込む作戦を試します、対象が手では長時間同じポーズは無理ですし。そして家にある物を駆使してこのような撮影冶具をでっち上げてみました。
Senseの件もあるので特徴点抽出しやすそうな物で最初は試します。
厳しいかぁ…
俯角も変化させないとダメらしいけど撮影対象が”手”だと正確に回せるのはせいぜい1周だしこれ以上は無駄と判断しました。
開き直った結果が悪く無い
全て諦めてカンと経験でモデリング…申請時に出した左右分割式は実際のプレイでは非常に使い勝手が悪かったのです。ま、一般的な形状ですよねートホホ。
自宅の3Dプリンタは幅230mmまでなので分割し、接着して仕上げます。
中身は自宅に転がっていたPS360ですが今はUSB-HIDデバイスになるマイコンは色々あるので特筆する点は無いと思います。
はいできました、さっくり作った割には悪く無い操作感なのがまた悲しい。キーボードと違って3Dプリンタ一つでかなりの自由度が出せますし自作キーボードも流行ってるので自作ゲーミングデバイスも流行れッ!!ということで締めたいと思います。
ほんとごめんなさい。